デフレの深化 2017 11 26

インターネットであちこち見ていたら、このような記事を見つけました。

「MONEY VOICE」 2017年11月21日

幸楽苑の「大量閉店」が象徴する日本の病  児島 康孝

 ラーメンチェーンの「幸楽苑」が、52店舗の大量閉店を発表しました。
これまでは、デフレ下で出店を加速させてきた幸楽苑。
メニューは、400円台から500円台が中心です。
 メディアでの解説は、
人件費の上昇や原料高による採算の悪化というものが、ほとんどです。
果たして、本当にそうでしょうか?
 今回の大量閉店は、幸楽苑の低価格帯ですら売上を確保できないことを意味します。
人件費が少々上昇しても、原料費が高くなっても、売上が伴えば問題はないはずです。
これは、日本におけるデフレのゾーンがさらに低価格へと移行した可能性を示しています。
「駅前一等地に「富士そば」の意味」
 今、下北沢駅の駅近の一等地で、改装作業が進んでいます。
何ができるのかと見れば、「名代 富士そば」。
いわゆる「立ち食いソバ」の業態です。
価格は、かけそば300円、かけうどん300円から。
概ね300円台から400円台で食事ができます。
 そして、下北沢の「富士そば」予定地の向かいには、マクドナルド。
このマクドナルドも、一番低価格のハンバーガーは100円。
プレミアム・ローストコーヒーも、Sサイズは100円です。
つまり、200円から食事ができるわけです。
(中略)
 こうしてみますと、
価格帯が400円台から500円台である幸楽苑の大量閉店も、納得できるものです。
 以前は、デフレ業態で低価格であった幸楽苑が、
さらなるデフレの進行によって、相対的に高価格化したということです。
そうやって幸楽苑が競争力を失った姿が透けて見えます。
(引用、以上)
 幸楽苑は、デフレの勝者と言われましたが、
さらなる低価格路線の出現と、
デフレの進行によって、
幸楽苑は、「意図せざる高級化路線」になってしまったということでしょうか。
そういえば、大手スーパーが一斉値下げをしたというニュースがありました。
 この記事では、幸楽苑を利用していた人たちの客層が見えてきませんが、
そういう人たちが、生活が苦しくなったことを意味しているでしょう。
 あるいは、「立ち食い」が、店にとっても、消費者にとっても、
「Win-Win」の関係にあるかもしれません。
 実は、「駅なか」の店舗で、「立ち食い」の寿司屋を見かけたことがあります。
街中では、「立ち食い」のステーキ店も見ました。
 「立ち食い」ならば、店舗の面積を小さくできる上に、
客の回転が速くなります。
つまり、客が店に長居しなくなるということです。
その分、安く商品を提供できますので、客にとっても、うれしいでしょう。
 今の日本においては、
コスト・プッシュ・インフレは、起こらないかもしれません。
このインフレは、人件費や原材料費の高騰が商品価格に転嫁することによるものです。
 しかし、今の日本では、
消費者が、価格転嫁が行われた商品やサービスを買わないという行動をしますので、
コスト・プッシュ・インフレは、起こらないでしょう。
 ましてや、ディマンド・プル・インフレは、「夢のまた夢」でしょう。
このインフレは、需要が供給を上回った状態にあるときに起こります。
 少子高齢化の進行によって、
飲食店という市場は、縮小しています。
 若者に比べて、高齢者は、明らかに食べる量が少ないでしょう。
少なくなった「若者の胃袋」をめぐって、競争が激化しています。
 私は、10年以上前から、
どんなに経営努力をしても、
少子高齢化のスピードが経営努力のスピードを上回れば、
その経営努力は、全く意味のないものとなると書いてきました。











































































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